2013年06月22日

労咳(ろうがい)


幕恋…でなくても、幕末・新撰組の沖田総司といえば労咳(ろうがい)=肺結核。
明治初期までは労咳(ろうがい)と呼ばれていた、この病気…実は、現代でもいくつかの問題を抱えている病気だったりします。



肺結核が一番目立つので有名なんですが、病原は結核菌という細菌で、肺以外にも全身、罹患することがあります。免疫低下を起こすことが主体だそうなので、実際に死病に至らしめるのは、これによって様々な病気にかかりやすく、治りにくくなっていくもの。肺結核が一番目立つのは、あからさまに血を吐く等という症状が出やすいので、他の病気より判りやすかったからではないでしょうか?(これは個人的な推測です…違うかも…)…肺結核以外の結核菌によるものは、別の主体になった病気が不調や死因だと思われていたのかも…。

結核菌がドイツの細菌学者コッホによって発見されたのは1882年−明治14年。
それまでは、正体不明の病気でした。ちなみに、空気感染率が非常に高い菌なのですが、ペストなどのような差別病にならなかったのは、感染しても、発症率が非常に低い病気だからでしょう。感染した、と判りづらいんですね……沖田総司と近くで行動をしていた新撰組の大半は、保菌者ではあった可能性が高い、という……
……高杉晋作の近辺も、ですね……。

対処療法としては、免疫低下に対して、免疫を向上させる薬又は食べ物など。そう考えると、結核菌発見前でも、栄養や漢方薬などで、重篤化を伸ばす方法はあったと思われます。また、生来の体質や栄養事情なども関係したでしょう。貧しい階層や栄養事情の良くない時代には、あるいは、結核とすら判別がつかないまま、なんてことも、あったかもしれません。(上層階級や美形に多い、と言われていたことがある病気ですが、その一端は、免疫力低下でやつれることや、発症から、なんらかの重篤化の阻止の手段を持てた人たちが「労咳」である、と認定された、という可能性が推測できると思います。)

根本療法として使える最初の抗生物質「ストレプトマイシン」が発見されたのが1943年=昭和18年。薬品としての汎用化には、当然、もっと時間がかかります。

それでも、一応は、治らない病気ではなくなったのと、空気感染で感染率が非常に高いことが発覚してからは、基本的に治癒するまで隔離される病気のひとつに認定されました。

ちなみに、20年弱前頃には風邪で病院から処方される薬の中には抗生物質がありました。これには、肺結核の発症予防に対するものも含まれていました……が。近年では、さすがに大げさだとして、基本的には処方箋から外れることが多いようです。


……で。これで少なくとも先進国と呼ばれる地域ではもう大丈夫か、といいますと……

最近になって、改めて問題になりつつあったりします。日本よりも欧米の方が深刻なようですが……

投与される抗生物質に対抗して、結核菌が強化され、強化されたものに対する抗生物質が新たな投与対象となり……を、繰り返して、結核菌がかなり強くなっている、とのこと。
なんで、最近になってこんなことになっているか、といいますと……抗生物質を、自分で治ったと思った頃に飲むのをやめてしまうケースが増えて、まだ生きている結核菌が、その隙に、自然の摂理として強化されて再発・感染していく……という……。
途中で自分の判断で適当に薬を切り上げてしまう人が、欧米諸国では圧倒的に多いので、あちらで問題が先に出た、という話です。
……要するに…医師からの投薬指示は守りましょう、できれば、定期検査もちゃんと受けましょう、って話です。

テレビでちょっと前に、ちょこちょこと話題になっていましたが…。


……文化史の話じゃない上に、とっくに知っとるわ、という話なのは、ですね。
沖田さんルート1回目終了と、オフ活動の製本作業の息抜きに、暗記大半で書ける話題だったから…(汗


……と。オマケ。
幕末サーチエンジン】さんに申請してみたら、承認していただけました。……『幕末志士の恋愛事情』の項目が無いのが、ちょっと寂しかったり、承認いただけるかドキドキだったんですが…ヤケとばかりに、いろんな人の名前にチェック入れてたり…パニックだけでもけっこう、出てくるから、その辺の面子ならいいよね?…っと。

イベント準備かイベントが終わったら、ヤフー日記からの暴走二次っぽいもののサルベージや、ウェディング・パニックの続きやら…他のうんちくやらも改めて!……オリジナルやタイタニアもやるんで、言ってるほど早くないでしょうけど…たぶん。
【江戸とその前後色々の最新記事】
posted by 龍魔幻(りゅーま) at 21:33
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この記事へのコメント
まじすか!いや、薬飲むの止めるとやばいんですね。
私はすぐ飲むの止めちゃう人です・・・
もらった薬を完食(?)したことが一度もナイ。
てゆうかそもそも病院あんまり行かない・・・
ちょっと前にちょろっと日記コメに書いた風邪の時もらった薬も、8割くらい残ってます。
ダメなんですね・・・。今からでも飲んだ方がいいかしら・・・。
Posted by ふじ at 2013年06月23日 00:21
>ふじさん 単なる風邪でのビタミン剤とかなら問題ないですよ〜(^^; ただの風邪なら重度か高齢等で無い限り、抗生物質が無くなったのも事実ですし。
病院と縁が無いのは良いことだと、定期通院だけで数件の人間がいってみますorz 精神疾患系統のお薬とか抗生物質の類いのようなのは、「治った?」と思っても、医師の指示通りに飲まないと、あとで帰ってきて、しんどいのは自分、というオチが…… こんな話、役に立たないのが一番なんですが…
Posted by りゅーま at 2013年06月23日 08:09
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