2013年06月08日

ウェディング・パニック 4


そろそろ表題だけでも、とはいえ出展はきちんと。「ふらふらおぼろ」さん9話までをダシにさせていただいているお話、4回目。
これでようやっとこさ、とりあえず、全員顔(?)は出てきた…

ウェディング・パニック ・ ・ 


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日光東照宮に祭られし、権現様(※注)の庇護の元、日の本の国の二百余年の安寧は、黒船来航、ペリー提督指揮下の2度の砲弾にて揺らぎ始める。帝に公家に、江戸の征夷大将軍、士農工商えた非人。三代家光公の平定より長きにわたる、先祖伝来の身分の垣根も揺らぎ。
今が機会とばかりに勇み出でたるは、芹沢鴨を筆頭に、近藤勇、土方歳三、沖田総司、以下諸々、下位下層と扱われつつも武家仕えを夢見た浪士たち。会津藩預かり、京都見回り組、壬生の浪士24名に始まり、今や二百余名にのぼる新撰組。幕下の人斬り集団と京の町人に恐れられるも、だんだら模様の羽織の内に、それが世の行く末の安寧と、我が身や同志の立身出世とを信ずればこそ。

沖田「…って、芹沢さんはもう亡くなってますよ」
……そーですね。身内に暗殺されったって話もありますね。
沖田「やだなぁ。それ、単なる噂ですってば、う・わ・さ」
……いや、その否定する目つきがすごーく恐いんですけど……。


さて。屯所の内に、鬼の副長と渾名される御仁を、呆れ半ばに探すは藤堂平助。

藤堂「…と、いたいた、おーい、副長っっ!」
土方「なんだぁ、いきなり怒鳴りやがって」
藤堂「何だも何も…外での話どうこうはともかく、女がらみを屯所まで持ち込むなよ!」
土方「何だ、俺の耳が悪いのか、おめぇの寝言か?妙な濡れ衣きせるんじゃねぇ」
藤堂「…じゃ、これは何だって言うんで? 副長名指しの、女名の屯所への投げ文」
土方「なんだ、そりゃ」
 受け取って開き…眉をしかめる。
土方「おい。総司、呼んで来い。と、おめーも一緒に戻ってこい」
藤堂「…へ?俺に濡れ衣はお門違い……」
土方「別にそういうわけじゃねぇ。二度も言うのも聞くのも面倒だから、とにかく纏まってきやがれ」
藤堂「…承知」

 土方が開く文を、沖田、藤堂でのぞき読みながら。
沖田「…大久保から…呼び出し…」
藤堂「呼び出して決闘…ってぇがらじゃぁねぇよなぁ。噂に聞く長州の高杉の方ならともかく」
土方「なんだぁ、その、噂ってぇのは」
藤堂「町でちょいと聞いただけで、ホントかどうか知らねぇっすよ。時々町の祭に、やたら背の高いのが難だけど偉い美人連れて、ひょいっと現れて太鼓叩き披露して消えてくのが、実は高杉の野郎じゃねぇか、って」
土方「そりゃぁさすがにねぇ……ん? ちょいと待てよ。大女?」
沖田「…それが、何か引っかかるんですか?」
藤堂「あ、この間のかんざし!」
土方「あれが逃げの小五郎なら祭で太鼓叩くバカの噂は辻褄は合うが…」
沖田「大久保とは繋がりませんよ…っと、待ってください、ここ…」
土方「ん?武市を見に来いとかいう寝言か?」
藤堂「こないだ土方さん、やり合ったんだろ…って、再戦ってぇなら単に乗り込むなり土方さん一人呼びだしゃいいだけだよなぁ。そもそも、色ぼけやがってるてぇ話だし…逆に呼び出して殺ろうってぇ面子には…俺が入ってるってぇのが妙だよなぁ」
土方「てめぇは武市に目ぇつけられんじゃぁなかったか?」
藤堂「…あの、取り逃がしちまった女の話か?いっくらなんでも、それで大久保やら土方さんやら…」
土方「その女がらみでつついたら、太刀無しで俺とやり合うバカだぞ」
藤堂「…う…それは…俺、武市一人のときに見かけたら、斬るより逃げたがいいかも…」
沖田「じゃ、なくて。だまし討ちするなら、藤堂がついでに入ってるのはともかく、近藤さんが入ってないのは不思議でしょう?」
藤堂「俺がついではいいのかよ…」
沖田「(↑は無視)あのお嬢さん、僕たちに彼らとの繋がりが知れてから、必ず誰かと一緒か、すごく警戒してるんですよ。だから、お嬢さんがらみかな、って」
土方「そのお嬢さん≠チてぇのは、武市が色呆けてる、珍妙娘のことか?」
沖田「まだ珍妙って…まぁ、だって、それなら辻褄、あいませんか?彼女と直接に知り合ってるのなら、この三人でしょ?」
藤堂「…ああ…って、沖田さん?」
沖田「何も知らない頃にちょっと茶店でね。話してて、楽しいお嬢さんで」
土方「ま、始めん頃に顔併せたときゃぁ、何もしらないふうだったが…」
??「とりあえず出向いてきたらどうだ?」
藤堂「(振り向いて…)どわぁ、局長!」
近藤「呼んでくれるんなら行ってやれ。おまえらだったら…とりあえず死ぬこたぁないだろう。たぶん」
藤堂「(たぶん…って…)」
沖田「まぁ、最悪、いつもと立場が逆になっちゃいますけど。追うのと逃げるのと」
土方「なにもなけりゃぁ…偵察、ってとこで?」
近藤「そうそう、偵察だ、偵察」

そして…
土佐藩邸。後藤象二郎の側近の、面(おもて)白き色男。かつての土佐勤王党に興味津々としつつも見送り、その胸の内に秘める心の向きは人知れず…口から出るは、浮き事ばかりと噂の、乾退助。文を届けた使者が聞いた言葉は一つ…「面白そうだね」とだけ。

これにて、役者、出そろいましたるところ。……たぶん。


(注:初代・家康のこと。三代家光の代に神格化・祭られてます。)
―――――――――――――――――――――


ウェディング・パニック −幕間− へ


……近藤勇は今回限りのゲストです。っていうか、新撰組ご一同は口調がとっても怪しいです…ごめんなさい。ルート攻略どころかお一人目序盤なので(汗)…あと、ふじさんとこの他に、別ルートの行動が入ってる人も…

で、次の本題突入まで、たぶんちょっと間が開きます…30日の一次創作のイベント準備のため

posted by 龍魔幻(りゅーま) at 21:12
web拍手 by FC2 | Comment(6) | TrackBack(0) | 二次創作…っぽいもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まさか新選組まで・・・(笑) すごいな、大久保さん!
先生、土方さんに色ボケ呼ばわりされてる(T▽T)
あはははは色ボケ!
てゆうか近藤局長がさすがの男前です。
一回限りのゲストなんてもったいない〜
Posted by ふじ at 2013年06月08日 21:40
>ふじさん
9話直後の流れだと、イメージでそんなことに…りゅーまの歪んだ先生への愛情です…たぶん(汗

恋愛ものは基本的に書くのすっごく苦手なので、どーせならフルキャスト!と仕掛けて見ました…最初に大久保さん引っ張り出した理由の一つがコレでした(身内のお祭りだけなら高杉さんの声かけ一つでできちゃいそうだし)。

近藤さんと西郷さんは泣く泣く……っていうか…口調や幕恋での扱われ方がわかんないので(^^;
Posted by りゅーま at 2013年06月08日 22:02
おっ近藤さんもいらしゃいましたね。
なんだか賑やかな祭りの気配が、、、
続き楽しみにお待ちしてます。
Posted by kamikakusi at 2013年06月09日 09:00
おお、なにやら盛り上がってきましたね。
何が催されるのか、すっごい楽しみです。

同人イベントですか、お疲れ様です。
参加するのは楽しいですが、人と会うと気疲れしちゃいますよね。特に初めての人相手とか。
たくさんお客様がいらっしゃるといいですね。とは、簡単に言えないところが難しいです。w
適当に、楽しんでいらしてください。
Posted by 茶々 at 2013年06月09日 09:58
>kamikakusiさん
じらし状態で止めることになって、かつ、後の質が保証出来なくてすみません。
新撰組ならとりあえず、この時期なら近藤さんに許可もらえば鉄壁だろう、と、スペシャルゲストでお呼びしました(^^; まぁ、他の正規作品でたくさん出てるから……っていうか、その辺のファンの方に後で背中刺されないかドキドキ…(ぇ
Posted by りゅーま at 2013年06月10日 06:16
>茶々さん
ちょっとお休みいただいたあと、ぐわーっと…大本命の「大馬鹿」に入りますv
イベントは…この辺、悲しいほどに「本媒体」そのものが少なくて、オリジナルはさらに…(東京・大阪では抽選がでるらしいコミティアすら、名古屋ではやっと200ブース前後…)なので、30ブースあるかないかの世界で、誰が足止めてくれるかな〜、な感じです。おにーさんとお話するくらいまでなら慣れてます。なぜかガンダムでも盛り上がれるファンタジー系文芸ブース…(苦笑
Posted by りゅーま at 2013年06月10日 06:20
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