「ふらふらおぼろ」ルート(勝手に命名)9話後分裂
大馬鹿者は暴走中です。(おだてていただいて調子に乗っている、ともいう…)
1・ 2の順で。
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薩摩藩邸、その門扉。昨日には長州のイノシシ殿が入り出でて、その後に文の使者が慌ただしく、と思ったばかり。さりとて今日も珍奇な客人(まろうど)二人。仏頂面で示された文、その手(※筆跡)にて喚びたる主は、今の藩邸の長、大久保殿に他ならず。
廷内、女中どもはひそりとさえずる。
先般、数日ばかり逗留せし名も知れぬ、ただ「お嬢さま」とのみ呼ばれた娘御を、身請けに訪れたる見目良き侍。供は万事に注意を向けて、主に筋なりとも寄せ付けぬとばかりの怒気を纏う衛士殿。
かの娘御と同じくに、雇い人どもはその名も筋も知らぬ。故に女どもはさんざめく。かの姫君と大久保殿と、客人侍の三つ巴か、と。廷内のみに籠もる噂を、知らぬは大久保殿の側近どもと当人諸々ばかりとか。
大久保「なんだ、その邪推は」
…だから貴方は知らないんですってば。楽屋裏に乱入しないでくださいな。
以蔵「俺も納得いかんぞ」
武市「僕はかまわないが。三つ巴なら、彼女を連れて帰った僕の勝ち、ということだろう?」
以蔵「…それは…先生のおっしゃる通り、ですが」
えーと。続き、続き…っと。
座敷に通されし名の知れぬ侍、改め、武市半平太。側仕えの如きに岡田以蔵。上座にあるは、昨日より不気味なほどにご機嫌よろしい大久保利通。茶を出す女中に人払いを申し渡す。他人の気配の消えて後。
武市「して、何の御用でしょうか」
大久保「この私が名指してやったのに、不満かね、武市くんは」
武市「…いえ。来なければ彼女を拉致するなどという物騒な文のご真意を」
大久保「真意もなにも、君が間違いなく来る文言はそれだ、というだけだ」
武市「何をお考えで…」
大久保「なに、じきに解る。まだ準備だ。武市くんは向こうで、私の腹心の言うことに少し従ってくれ」
武市「……は?」
大久保「ああ、岡田くんはそのまま」
以蔵「いや、大久保さんであっても、それで先生を害されては…」
大久保「腹心の、女中だ。武市くんはそこまで腑抜けてはおらんだろう?」
以蔵「…そういう問題では!」
武市「いい、以蔵。つまらない押し問答に付き合うよりは…大久保さん、仰せには従いますが…」
大久保「なに、斬った貼ったの物騒事ではない。それとも、いちいち食ってかかってくる心当たりがあるのかね?」
武市「大久保さんに心当たりは?」
大久保「……掃いて捨てても余って腐るほど在るな。だが、今、武市くんをどうこうしても面白いことも得をすることも無い」
武市、不承不承に言われた通りに。そして、残った以蔵は落ち着かず。
大久保「碁は……無理なようだな」
以蔵「…………」
大久保「ああ。半次郎がな、一度、手合わせをしてみたい、と言っていた。余興にどうだ?」
以蔵「…先生は?」
大久保「だから、今は武市くんを害する益が、薩摩にも私にも無い。加えて、半次郎は君と手合わせしていれば武市くんのところへは行けん。異論はあるかね?」
以蔵「いえ…それでは…」
大久保「では、目立つのも難があるから、そこの中庭ででも十分だろう。私は立ち会い、いや、双方の腕を考えれば、ただの観客だな」
かくして、武市半平太は別室へ、岡田以蔵は薩摩が大久保殿の影の如き衛士・中村半次郎との木刀にての手合わせを。その決着が付かぬことに、大久保殿のご機嫌は、さらに上乗せしきり。後の廷内使用人どもの不気味に思うこともしきり。
一方、寺田屋の一室。
高杉「聞いたか、小五郎、坂本に中岡も!未来では侍も祭に行けるどころか、キリシタンの祭まで一緒だ!」
中岡「大声上げなくても…狭い部屋ん中で聞こえないわけ無いっす」
坂本「祝言の話からずいぶんととんだのう」
高杉「そうすると、だ。寺と神社の中に、さらにキリシタンの寺があるわけか?」
☆☆「いえ、さすがに一緒じゃないです…って、お寺と神社は一緒なのは、変なんですか?」
高杉「ここでは変じゃぁないな。そこは変わらんのか」
☆☆「私、あんまりよく知らないんですけど…初詣に行くのが神社で、お葬式がお寺で?」
中岡「姉さん、なんかちょっと違うような…」
高杉「細かいことはいい。そういう世の中を作ったのが誰だかこいつは知らん、ということは、俺たちの気合い次第かもしれん!」
坂本「そこは解っちゅうが…寺田屋は長州藩邸ほど広うないんで」
桂「大声で叫ぶのはその辺で。それに、話が飛びすぎているんじゃ無いか、晋作」
高杉「応、そうだった!おい!」
☆☆「はい?」
高杉「おまえが最初に着てた、あの、せえらあ服!あれを二、三日貸してくれ」
☆☆「……は?えっと…あの、何に使うんですか?(未来でこんなこと言われたらタダの痴漢みたいなヒトだけど…)」
高杉「ええと…それは…だな…」
桂「君が藩邸に来た日に興味を持った裁縫上手の者がいてね。是非とも見てみたい、と何度も言うから」
☆☆「あ…なるほど。でも…そうすると…下…襦袢みたいな方も…、ですよね……」
高杉「まぁ、そうなってしまうな…」
中岡「こう、端から聞くと危ない人、っスよ」
高杉「だー、違う!」
桂「(ため息)…風呂敷か何かに、お願いできるかな。私や晋作はもちろん、その女中以外には絶対に開かせない。本当は連れてくるべきなんだがね」
☆☆「あ、それなら、わかりました。女中さんが来るのは、ちょっと、ですもんね」
高杉「そういうことだ。悪いが、よろしく頼む。何なら証文も書く」
高杉、がばり、と頭を下げる。
☆☆「いえ!そこまでしなくても十分です!」
坂本「なんぞ、胡散臭いと思うのはわしだけかのう?」
中岡「いえ。むしろ、信じ切れる姉さんがすごいっす」
さてはて。薩長の、長同士の企み事の飛び火は他にも…
土方「おめー、次はこっちまで飛ばす気か」
……だってその方が面白いんですもん…龍魔幻が。
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ウェディング・パニック 4 へ
【二次創作…っぽいものの最新記事】
高杉さん完全にやばい人(笑)
続きを楽しみにしています。
ご拝読いただきましてありがとうございます…って、アップして1時間以内!?
高杉さん…誰にこの役、って思いましたが、切り出せるのはこの人しか思い浮かばず…(笑)
もとから全うじゃ無い二次創作らしきもの企んでますv ……ご期待に…添えてるといいんですが……同人世界長くても、いつも明明後日にいくので、私…
わ〜なんかたくらんでますね。
作っちゃいますね。
もうみんな小娘喜ばせることに一生懸命でかわいいです!!!
ズッキュンバッタン。。。
ご拝読、コメント、ありがとうございます。
……そりゃぁ、大本の根っこは幕恋世界ですから…自分が楽しみたい人やら全力で小娘ちゃん楽しませたい人やら……一番楽しんでるのはたぶん書き手ですが(^^; シリアスはふじさんにおまかせ〜 ……といいつつ、新撰組関連調べなきゃ(汗